子供の頃からオオクワガタの噂だけは都市伝説のように存在した。

「●●小学校の六年生が♀を採った」噂とかペットショップの親父さんから「オオクワガタは採れるけれど秘密」とかの話は何度も耳にしたが、実物を見せて貰ったことは一度もなく、友達・知り合いも誰も見たことは無かった。

日本でオオクワガタが採れる場所で名が知られている所には大体国蝶のオオムラサキも分布していることが多いようだが、豊川市内でオオムラサキの記録はは無い。

1990年代後半より始まったクワガタブームで、誰でもオオクワガタの累代飼育個体が手に入るようになった昨今では、もし採集出来ても逸脱した飼育個体の可能性も出て来て自然分布の有無の確認は難しくなってしまった。

事実、2000年頃に住宅地にある民家に飛んできたというオオクワガタの7.2センチと言う当時としてはかなり大型の♂を頂いたことがある。周りに森も林も無い環境なのでこれなどは間違いなく飼育個体なのであろう。